マンションのリフォームを考えたとき、戸建てと同じ感覚で会社を選んでいませんか?
実は、見るべきポイントがまったく違います。
「腕のいい会社を選べば安心」
戸建てなら正しいこの発想が、マンションでは通用しません。
今回はその理由をお話しします。
マンションリフォームは「二者」でなく「三者」の話
戸建てのリフォームは、基本的に施主と会社の二者で話が進みます。
決めるのは自分。予算とプランが合えば、あとは工事を待つだけ。
でもマンションは違います。そこに管理組合という第三者が必ず入ります。
どれだけ腕のいい会社でも、管理組合のルールを無視した工事はできません。会社選びで「施工の質」だけを見ていると、ここでつまずきます。
図面どおりに作れる技術より先に、規約の中でプランを成立させられるか。
マンションで問われるのは、この三者のやり取りに慣れているかどうかです。戸建てとの一番の違いは、そこにあります。
もう一つ、見落としがちな違いも。戸建ては工事が終われば業者は去りますが、マンションでは近隣がその後も住み続けます。
工事中の音やマナーへの不満が、そのまま住み心地に跳ね返ることも。
近隣への配慮まで含めて動ける会社かどうか。これも三者関係ならではの視点です。
マンション特有の制約を知る
管理規約が工事の可否を決める
マンションには管理規約があります。
ここに、リフォームでできること・できないことが書かれています。
たとえば床材。遮音性能について規約で基準が定められている物件は少なくありません。
フローリングに変えたくても、基準を満たさない材料は使えない、というケースです。せっかく気に入った床材が、規約で弾かれてしまう。
会社に相談する前に、まず自分の物件の規約を確認する。順番を間違えると、プラン全体をやり直すことになりかねません。
工事の事前届出や、作業できる曜日・時間帯が決まっていることも。
搬入経路にエレベーターの養生が必要な場合もあります。どれも規約次第です。
共用部と専有部の線引き
「自分の部屋だから自由に変えられる」そう思いがちですが、実際それは正確ではありません。
マンションは、専有部と共用部に分かれています。手を入れられるのは専有部のみ。
ではどこからが共用部でしょうか?
自分の部屋だから自由に変えられる」。そう思いがちですが、正確ではありません。
マンションは、専有部と共用部に分かれています。手を入れられるのは専有部のみ。ではどこからが共用部でしょうか。
- ・玄関ドア:一般的に外側は共用部、内側は専有部
- ・窓・サッシ:共用部にあたることが多い
- ・バルコニー:専有使用が認められた共用部
窓を二重サッシにしたい、玄関ドアを交換したい。
こうした希望が、この線引きの壁にぶつかることがあります。給排水管も、専有部か共用部かで対応が変わる部分。
水回りの移動を考えているなら、早めの確認が欠かせません。
線引きは物件ごとに異なります。
だからこそ、規約と図面の確認が先。ここを飛ばして間取りを決めると、あとで大きく手戻りします。
着工までの時間も読みにくい
戸建てなら、契約すればすぐ着工できます。マンションはそう単純ではありません。
工事の申請を出し、管理組合の承認を待つ工程が挟まります。
理事会のタイミング次第で、承認まで日数がかかることも。ここを甘く見積もる会社だと、スケジュールが後ろにずれ込みます。
逆に、承認プロセスを見越して余裕あるスケジュールを引く会社は、マンションの勝手を分かっている証拠。段取りの立て方は、経験の差がそのまま出る部分です。
マンション施工の経験がある会社か
ここまで読むと分かるとおり、マンションリフォームは「工事が上手い」だけでは足りません。
規約の読み方、管理組合への届出、近隣への挨拶と配慮。この一連を段取りできる会社かどうかが問われます。
「戸建ても、マンションもやっています」
こう書かれていても、実際の比重は会社によって差があります。マンションの実績が数件だけ、という会社も珍しくありません。
確認したいのは、自分と近い条件、できれば同じような管理形態のマンションでの施工経験があるか。
ここは施工実績の見方とも重なりますが、マンションでは特に「規約対応まで含めて任せられるか」という目線が効きます。
過去にどんな管理組合とやり取りしてきたか、遠慮なく聞いてみるといいでしょう。
戸建てとマンション。同じリフォームでも、選ぶときの入口が違います。
三者で進む工事だと分かっていれば、見るべきところは自然と絞れてくるはずです。

